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販促コラム

店販品が売れる美容室にする、3つのテクニック

美容室にとって店販は、経営を安定させる大切な収益源のひとつ。しかし、営業職ではないのですから、美容師さんにとって店販は悩みの種ですね。毎日がんばってお客さまにキャンペーン商品をお勧めしているのに、売れ行きはイマイチ。話題の新商品も積極的に取り入れているけど、やっぱり反応が薄い…。

今はモノが売れない時代と言われていますが、店販の売上を伸ばしている美容室もあるのです。あなたが店販で悩んでおられるなら、このコラムでご紹介する「あなたから買う」テクを使ってください。店販商品を売るポイントをおさえれば、お客さまから感謝されながら再来店までつながります。

ではさっそく、そのヒミツを解き明かしていきましょう。

売り込み厳禁。まずはお客さまとの関係性づくりから

ヒグチさん(20歳・女性)は近所に新しくオープンした美容室に行ってみました。対応してくれたのは女性の店長。初めてのお店なので、カットだけをお願いしました。シャンプーの前に「プラス1,000円でトリートメントができますが、どうされますか?」と問われます。

「あぁ…今日はやめときます」

明るくフレンドリーに話しかけてくれる店長に気遣いながら施術はすすみます。ヒグチさんの黒髪を見て店長がもうひとつ。

「カラーはされないんですか?」
「今日は結構です」

施術が終わり、お会計時に最後の質問。

「ワックスとかスタイリング剤はなくなってませんか?」
「いらないです」

新規のお客様にも積極的な売り込み攻勢をかけてくる美容室。ファストフード店の「ポテトも一緒にいかがですか?」の感覚で、誰彼かまわず店販を勧めているに違いありません。数打てば当たることもあるでしょうが、美容室の場合はハズレの数だけリピートまで逃しかねません。なぜなら「とにかく売り込まれる美容室」という印象だけが残るからです。あなたも、何かを売りつけられそうになったら、警戒してしまいますよね。人は売り込みに対して「イヤな印象」を感じることが多いのです。

モノがあふれている今は、何を買うかではなく、誰から買うかが重要です。初めて会った人に勧められるより、お互いをよく知っている人、信頼できる人から買う方が楽しいし安心できますよね。売ることを目的にするのではなく、この人から買いたいと思ってもらえる関係づくりをするのです。

店販テク「さり気なく見せる」

決して売り込まずに、アピールする方法をヘアワックスで考えてみましょう。
仕上げの際、ドライヤーのあて方を軽くレクチャーした流れで、ヘアワックスを取り出します。あなたはパッケージの数字の部分を指し、

「この数字がワックスの硬さを表しています。0番の一番軽いものでセットしておきますね」

と伝えます。以上!

これだけで、ヘアワックスが欲しい人は自ら質問してきます。お客様には、あくまでセットに何を使うか説明しただけです。ポイントは、数字を指差すこと。ワックスの硬度を表す数字を知らない人は意外と多く、興味を持つからです。市販の商品はソフトやハードと書かれているので、知らなくてもいいことですが、あなたが教えてあげた「新しい専門知識」との出会いに、ときめく人がいるのです。パッケージが凝ってたり、かわいい店販品を扱っているのであれば、この「チラ見せ作戦」にぜひトライしてください。そのかわいさにひかれて購入する人が続出します。

店販テク「お客様の現在を否定しない」

お客様と髪の悩みを話している時に、現在使っているヘアケア商品について尋ねることがありますね。このとき絶対にしてはいけないことは、その商品を否定すること。

「その商品は、髪によくない成分が入っているんです」

と善意のつもりで言っても、お客様は100パーセント嫌な気分に。「市販の商品は…」と、まとめてダメ出しするのは、さらにアウトです。それは言い換えると「美容室で買え!」と売り込んでいるのと同じですから。

お客さまが使っておられる商品には触れずに、「傷みが気になるなら、○○という成分が入っているものを選んでくださいね」と、アドバイスするくらいにとどめます。本当に髪のダメージが気になっているお客さまなら、すかさず問われるでしょう。
「いいのがあるんですか?」
お客さまは、あなたが差し出した店販品をキラキラした目で見つめるはずです。

店販テク「あなただけの感想を自分の言葉で伝える」

モノを売るときには、対象となる商品を理解していないと、上手に売ることはできないものです。取り扱っている商品は、必ず実際に使い、他の商品と比べてどうなのかを分析しておきましょう。お客さまは、あなたが実際に使用した感想を聞きたいと思っています。自分で使ってみて「これはいい!」と感じた感動体験なら、自信を持って伝えることができるし、より説得力が増し、信頼もできます。メーカーが作った美辞麗句が並べられた宣伝文句を覚えて伝えるだけでは、リアルさがないのでお客さまも気付いてしまうのです。

あなたが本当に良いと思った商品の感想は、お客さま目線の言葉ですから、必ず伝わります。どれだけ感動したかを、あなたの言葉で教えてあげましょう。

店販テク「お客様に、感動体験を」

美容室でヘアケア商品を買った経験がない人にとって、初めて買うというアクションを起こすにはきっかけが必要です。なくても困らないと思っている人に「それ、欲しい!」と感じさせるにはどうすればいいでしょう。そのためには、お客様に感動体験をしてもらうのです。例えば、仕上げの際に

「アロマはお好きですか。とってもいい香りのするヘアオイルがあるんですけど、お試しで付けてみましょうか?」

と聞いてみます。興味を持たれたら、香りを試していただいたり、付けるポイントや効果を軽く話します。髪がサラサラになるのなら、実際に効果を実感していただきましょう。このときも売り込んではいけません。価格も聞かれるまで言わないのです。もしこれが直接販売に結びつかなかったとしても、お客様はちょっとラッキー、嬉しくなります。もう、あなたへの信頼度は増しています。

人は一度得た喜び、感動はかんたんに忘れません。必要であればその場で、または次回来店の際に自分から質問されるはずです。

「あのヘアオイル、良かったです」

その時にはより詳しい説明をしたり、他に買われたお客さまの話をして、ライバル心にやさしく火を付けてあげましょう。喜んで購入されたお客様は、またあなたから買いたいという思いを胸に帰宅され、家族や友人にその感動を伝え歩いてくれることになります。

店販品が売れる美容室にする

店販は「勧めずに売る」

美容室の店販品をスマートに勧め、売上をアップさせるテクニックをまとめておきましょう。

・売り込みをせず、お客さまに欲しいと感じさせる。
・本当に良いと感じた商品で得た体験を、お客様目線の言葉で伝える。
・感動していただける体験を提供する。

店販は、ダイレクトにモノを売り込むのではなく、感動体験をしていただいたり、自分を知っていただいたりすることで、売上アップにつなげるのです。店販の売上比率10%超えを目指して、頑張りましょう。

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