美容室の新規顧客をリピーターに変える、3つの販促手法
定期的に来店してくださる固定客(リピーター)は、美容室にとって欠かせない存在です。そして、そのリピーターを増やすためには、新規来店のお客さまをいかに次の来店につなぐことができるかが経営を安定させるポイント。今回は、再来店につなげるために有効な販促手法と、その効果的な活用方法をご紹介します。
・3ヵ月以内に再来店してもらうことが鍵
・リピーターになってもらうための販促手法1:「3回来店」に弾みをつけるポイントカード
・リピーターになってもらうための販促手法2:情報提供ツールのニュースレター
・リピーターになってもらうための販促手法3:お礼状
・自分自身のリピーター経験を思い出してみよう
3ヵ月以内に再来店してもらうことが鍵
美容室に初めて来店してから、3ヵ月以内に再来店されたお客さまがリピーターになる確率は圧倒的に高いと言われています。つまり、初めて来店された時と、その直後にどのようにアプローチするかがもっとも重要ということ。
では、お客さまが再来店しない理由とは何なのでしょうか?
1.お店のサービスが気に入らなかった。
たとえば、カットの仕上がりが気に入らなかった。スタイリストさんと話が合わなかったなど、理由はさまざまですが、サービス内容が気に入ってもらえなかった場合。
2.再度来店したい理由がない。
もうひとつは、どうしても行きたい、と思う理由がなかったから。そのうちに新しい美容室を見つけて、いつの間にか存在を忘れてしまった、というパターン。
1のサービス面についてはさておき、2の理由については、販促によってある程度は解決できるはずです。
積極的にこちらから働きかけて、思い出してもらうこと。お客さまが足を運びたくなる理由を提供して、来店のきっかけを作ることが大切です。
では、実際に具体的な方法をご紹介しましょう。
リピーターに育てるための販促手法1:「3回来店」に弾みをつけるポイントカード
これは、会員の固定化が鍵であるスポーツクラブなどでも実践されている販促アイデア。3回まで来店してもらうと、お得なサービスや金券などがもらえるというサービスです。
通常は「20~30個のポイントがたまればヘアクリームをプレゼント」といった内容ですが、「また来るかどうか分からないわ」と思っている新規のお客さまにとっては、はっきり言って邪魔なだけ。勝負は、まず3ヵ月以内に店の扉をあけてもらうことなのですから、最初の3回に徹底的にフォーカスすればよいのです。
お客さまにとっても、初めて行った美容室が、自分に合っているかどうかはすぐに判断できないもの。「お得なことがあるなら、あと数回行ってみてもいいかな」と思ってもらえれば成功です。もちろん、最初にお渡しするカードには、1つめのスタンプをその場で押してさしあげましょう。
または、こんな調査結果もあります。3回のゴールをあえて4回に設定しておいて、初めての来店時に「初めてなのでオマケしておきますね」とスタンプを2つ押してあげると、3回のときよりも圧倒的に反応が良かったそうです。お客さまにとっては、どちらにしても来店回数の2回は変わらないのですが、サービスしてもらったという心理的効果は大きな結果を生むようです。
リピーターに育てるための販促手法その2:ニュースレター
初めての来店時には、お客さま自身にも緊張感がありますから、気になることがあっても質問しにくいものです。
カットを担当してくれたスタイリストさんがどんな人なのか?他にはどんなサービスがあるのか?興味はあっても、質問すると逆に売り込まれそうであえて聞かないという方もいるでしょう。
そんな場合に効果を発揮するのが、ニュースレター。お店のサービス内容、店長の考え方、スタッフ紹介、お客さまに人気のサービスランキング・・・。そういった細かな情報をお知らせするのに適しているからです。
お帰りの際に、もしくは後日郵送で。お客さまの時間があるときに読んでいただける冊子を用意するのもひとつの方法です。
その場合に気をつけることは、お店の紹介だからといって独りよがりの内容にならないこと。たとえ数分間でも、お客さまの時間を獲得して読んでもらうためには、お客さまにとって知りたい情報(顧客目線の情報)を必ず提供することです。
たとえば、夏の暑い時期なら、「5分でできる、かんたんまとめ髪テクニック」や「日焼けダメージを防ぐための朝できるヘアケア」など、お客さまに役立つ情報を盛り込むことを忘れずに。
リピーターに育てるための販促手法その3:お礼状
お礼状で成功するポイントは、80%がタイミング、20%が内容です。遅くとも、来店から3日以内には届くように送ります。お客さまにとっては、すぐにお礼状をもらったという体験が記憶に残ります。内容は、来店に対するお礼を伝えるだけで十分です。
また、パソコンの文字でプリントされた文章の最後に、一行だけでも自筆のメッセージを添えましょう。字が下手でもよいのです。丁寧に心をこめて書かれていれば、十分に気持ちは伝わるものです。
自分自身のリピーター経験を思い出してみよう
数多くある美容室のなかで、自分たちのお店のリピーターになってもらうためにはどうすればいいか?いろいろ考えると難しいと思うかもしれませんが、自分がいつもお客さまになっているシチュエーションで世の中を見渡してみると、ヒントは多く見つかります。
初めて行ったレストラン、ブティック、インテリアショップ、病院・・・。誰にとっても初めて来店する機会は多くあるものですし、そこからリピーターになるかどうかの決め手はきっと何か理由があるはずです。そして、きっとその理由のほとんどは、心地よいサービスや、記憶にのこるような感動があったからではないでしょうか。そんな期待感を販促物に盛り込むことができれば、リピーター獲得への道はきっと拓けることでしょう。
2015年7月30日|美容院の販促